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紫式子日記

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無題

アエリータ、あれかっこいいですよね〜。
ロシアアヴァンギャルドって言葉の定義するところがちょっと難しいなと思いました。

>あおひーさん

毎度どうも!

アエリータかっこよかったですね~~。
20世紀前半のSFって本当に「夢の世界」で素敵です。

「芸術に死を」ってのがスローガンだったらしいんですけど、これってヨーロッパのダダイズムとかと一緒なんですよね。
先進国全体でそういう動きがあって、そのうちロシアで起こっていたものを~と呼ぶ。みたいな考え方が、より正確なのかもしれません。

無題

TBありがとうございました。
展覧会のときはあまり深くロシアアヴァンギャルドの
意味を考えずに見ていたので感じませんでしたが、
確かにピロスマニは、前衛ではなかったですね。
ピロスマニ、映画をもう一度見たいなぁと思っています。

>一村雨さん

コメントありがとうございます!

あえて分けると「プリミティヴ派」と呼べるそうです。そのまんまですが。
これはこれで、古典的(王侯貴族的)な美意識へのアンチテーゼであり、革命の時代ならではのものなんですけどね。

ピロスマニの映画、検索してみたら予想以上に観ている人がいて、びっくりです。
もっと日本でメジャーになってほしいですね。

「青春のロシア・アヴァンギャルド」展

むかしむかし、かの地ロシアには
とてつもなく前衛的な芸術の「波」があって。。。


Bunkamura オフィシャルWeb



私自身が比較的アヴァンギャルドな子なので、
まじめに勉強しようと思っていたのだけれど
めんどくさがって機を逸したまま今に至る。

というわけでこの展覧会には「お勉強」しに行くつもりで出掛けました。
だからこのエントリも、「お勉強」の「復習」って感じで書きます。

「ロシア・アヴァンギャルド」っていちおう
Wikipediaにも記事あるんだけど、全く参考にならんな。



わかりやすく「きわめちゃった人」を挙げると、★マレーヴィチ
白地に黒の四角、とか。アヴァンギャルド。

マレーヴィチは画風の変遷がまんまロシア・アヴァンギャルドの
盛衰と連動
していて、最初から最後までたくさん展示されています。



1910年台、ロシアでは革命の気運が高まっていました。
帝政で虐げられた農民・労働者による、社会主義革命ですね。

そんな「時代の空気」を反映して現れたのが
「ロシア・アヴァンギャルド」でした。

土着的な「プリミティブ・アート」の見直しと、
ヨーロッパで起こっていたキュビズムからの影響が
モスクワで出会い生まれた潮流です。
王侯貴族が好むロココ的な?美意識からの脱却という側面もあったでしょう。



展示の1枚目には、カンディンスキーの写実的な時代の
絵画『海景』が選ばれています。

そこから徐々に、人体・形態が単純化されていき、
抽象的になっていく過程を見せてくれています。



途中で「ニコ・ピロスマニ」という、フランスでいうところのルソー、
日本でいうところの山下清みたいな人が紹介されています。

実はこの人、ロシア・アヴァンギャルドには関係なくって、
この人の紹介が入っていることで展示の流れが悪くなっているのですが
美術館的にどうしても紹介したかったらしい。

確かに説明のキャプションとか見る限り
「絵描き」として魅力に溢れた人で、
早くこの人単発の展覧会が開けるくらい
知名度が上がってほしいなぁという気にはなりました。



で、マレーヴィチの抽象まっさかりの作品とか紹介されていきます。
スプレマティズム=絶対主義 ってやつですね。

すっごいですね。
「本質はつねにテーマによってそこなわれてきた」
とか言い放ってたんですね、この人。
本質を掴む、そのために虚飾を払うって考え方は
社会主義的であり、革命的だと思います。



ロシア・アヴァンギャルドとキュビズムって一瞬見分けつかないんですけど、
おおざっぱに分ければ前者はパキッと明るい色使いが特徴かと。

ロシアって、近代美術に限らず明るい色使いが得意ですよね。
民族衣装とか民芸品(というかマトリョーシカ)の
鮮やかな赤とか、うん、やっぱ寒いところって
空気が澄んで色がきれいに見えるもんね。って感じです。



それから、ロシア~の方は「人」が対象として好まれてる。

キュビズムも人を描きますけれど、「絵画における実験」の
素材としてしか見ていない感じがする。
ピカソの『アヴィニョンの娘たち』とかそうだし、
デュシャンの『階段を降りる裸体』なんか、タイトルからして。

だけどロシア・アヴァンギャルドってイコン(聖像)や
土着芸術の再評価もベースに持っているっていうだけあって、
「人そのもの」を描こうとしている印象がある。

マレーヴィチの、農民を描いた絵とか。
シャガールの『ヴァイオリン弾き』は
「ロシア・アヴァンギャルドとはちょっと違うんじゃね~かな~」
とは思いますが、精神性、「描こうとしたもの」の面で
マレーヴィチに近いような気がします。



いつの時代も芸術の歴史は政治の歴史。

革命精神と連動して高まったロシア・アヴァンギャルドの運動ですが、
ソ連の社会主義体制が安定してNEP――世界史でやりましたね――の頃になると、
「抽象絵画は個人的」だという理由で弾圧され、
構成主義は「生産」に組み込まれ、芸術家たちは
デザインへの移行かリアリズム回帰かを選択させられます。

展覧会の最後を飾るのも、やはりマレーヴィチ。
「公に芸術活動を続けるために、選択せざるをえなかった」
リアリズムで描かれた自画像と、妻の肖像です。

初期の写実画に比べ、技術が向上していて、練熟を感じますが、ただそれだけ。
独自性や、「マレーヴィチである必然性」が何ら感じられない、大人しい絵でした。

「スプレマティズム(絶対主義)には出口がない。
 それは封印された同心円で、そこで滅びるために
 世界の道が集中する場所なのだ。」(N・プーニン)




以下、個人的お気に入り
ボリス・アニスフェリド『シュラミの娘』『東洋の幻想』は
キュビズム的形態描写なんだけれど、使っている色が
肉々しく血なまぐさく、エロさ・官能性があって良かった。

しかし「東洋趣味を反映」って書いてあって、
確かにペルシア・インド・東アジアはロシアから見て
「東洋」なのかもしれないけれど、ロシアもじゅうぶん東じゃんね。
地理的にどこら辺から「東洋趣味」ってあるもんなんだろう。

館内映像『アエリータ』っていう映画の一部が上映されてて、
衣装やセットがロシア・アヴァンギャルドを反映してるんだけど
めっちゃかっこいい。1924年のSFです。
『メトロポリス』が1927年だから、それより古いよ。
アエリータ
アエリータ

あとアレクサンドラ・エクステル『女漁師たち』『魚を持つ女』は
「女のロシア・アヴァンギャルド」って感じでよかった。
形態描写はマレーヴィチぽいんだけれど、パステルカラーなんですよ。
ロシア・アヴァンギャルドのマリー・ローランサン?



ロシア・アヴァンギャルド (岩波新書)
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夢みる権利―ロシア・アヴァンギャルド再考 (Liberal arts)
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ロシア・アヴァンギャルドから見た日本美術 (ユーラシア・ブックレット)
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特集★アヴァンギャルド1920―前衛に、遊べ! (トーキングヘッズ叢書 (No.26))
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無題

アエリータ、あれかっこいいですよね〜。
ロシアアヴァンギャルドって言葉の定義するところがちょっと難しいなと思いました。

>あおひーさん

毎度どうも!

アエリータかっこよかったですね~~。
20世紀前半のSFって本当に「夢の世界」で素敵です。

「芸術に死を」ってのがスローガンだったらしいんですけど、これってヨーロッパのダダイズムとかと一緒なんですよね。
先進国全体でそういう動きがあって、そのうちロシアで起こっていたものを~と呼ぶ。みたいな考え方が、より正確なのかもしれません。

無題

TBありがとうございました。
展覧会のときはあまり深くロシアアヴァンギャルドの
意味を考えずに見ていたので感じませんでしたが、
確かにピロスマニは、前衛ではなかったですね。
ピロスマニ、映画をもう一度見たいなぁと思っています。

>一村雨さん

コメントありがとうございます!

あえて分けると「プリミティヴ派」と呼べるそうです。そのまんまですが。
これはこれで、古典的(王侯貴族的)な美意識へのアンチテーゼであり、革命の時代ならではのものなんですけどね。

ピロスマニの映画、検索してみたら予想以上に観ている人がいて、びっくりです。
もっと日本でメジャーになってほしいですね。

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