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紫式子日記

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『チーム・バチスタの栄光』海堂 尊

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 599) チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ [宝島社文庫] (宝島社文庫 (600))


うん、面白かったw


奥田英郎の「伊良部シリーズ」に
本格ミステリを持ち込んだ感じ?

って思ってたら、案の定解説で
指摘されてたw


星新一といい森博嗣といい、
理系の人が筆を執ると
やっぱりスゲーなぁ、と思う。
トマス・ハリスも医師兼、だよね。


うーん、ただやっぱり
「読み返さない一過性の娯楽」
としてのミステリの枠は、
抜けきってない感じ。

白鳥の登場タイミングが遅すぎなのと、
「その後」が冗長すぎるのが玉にキズかな。


映画が超えられない原作……
だと思うのだが、どうなんだろう……。

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映画『いのちの食べかた』

公式Webサイト

よかった。

「生物(植物)が食品になるまで」
を描いているドキュメンタリー映画。

なんだけど、ナレーションとか
解説のキャプションが一切なくて、

淡々とカメラが真横、正面などの
味気ない(ゆえにインパクトある)
角度から、ベルトコンベアや
オートメーション装置が
「いのち⇒食料」に変型させる過程を
とらえていく。


そして合間に挟まれる、
工場や農場で作業する人たちの
「もの食う」すがた。


切り刻まれていく牛や豚や鶏を見て
「かわいそう……」なんて思うのは
自然かもしれないけど偽善だと思う。

何があっても、私たちは
「食べて」いかなきゃいけないんだから。


という、「業」のようなもの……
を見せつけられる、映画。


これ、活字で読むんじゃなくて、
映像だからこの「対峙」感が
あるんだと思う。
映画じゃなきゃできないこと、
やってるんだと思う。


なぜかいちばん「キた」のは、
りんご出荷工場で、女の子が
りんごの大きさ揃えてるシーン。

なんでだろね。
工場バイト、私もやったからかな。

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「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」展

写真美術館Webページ

本展は、写真とシュルレアリスムの関係に注目した国内初の大規模展です。
シュルレアリスムの全貌を問い直し、「シュルレアリスムとは何か」という問いかけから、
「写真とは何か」という問いかけに繋がる考察の場として、
そのユニークな視覚世界を約200点でご紹介いたします。


確かに点数は多かった。
入場料600円(学生)であの規模は、
正直とってもありがたい。

なんだか烏合のナントヤラ、
みたいな感じもしたけどね。


興味深かったのは、
企画コンセプト内の↓の部分。

シュルレアリスム(超現実主義)とは、単なる空想のなかに存在する
非現実の領域を表そうとしていたのではなく、現実の中に存在する、
いわば強度の現実を捉えようとしたものでした。


その裏づけとして、展示の最終章では
昆虫や植物の一部を拡大撮影、
「シュールな」物体のように見せる
作品が展示されています。

なーるほど、それで「超・現実」か。
シュルレアリスムに関して、
5年ぶりくらいに「なーるほど」って
言ったかもしれん。


やっぱエルンストとかマン・レイ、
ハンス・ベルメールに
目が行きがちですが、
彼らがむしろ「浮いてた」。

日本の作家の方が
感性が「わかる」というか、
白の使い方とか「いーなぁ」
って思えましたね。
植田正治とか。

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『きりひと讃歌』手塚治虫

きりひと讃歌 (1) (小学館文庫) きりひと讃歌 (2) (小学館文庫) きりひと讃歌 (3) (小学館文庫)


いいのか?
テヅカの青年マンガなのに
こんなに後味良くて……

と思ってしまう私はとっくに病気(´・ω・`)


主人公・小山内桐人よりも、
その友人・占部に惹かれてしまう。

小山内へのコンプレックスまみれで、
彼に憧れると同時に絶望する。

そして絶望感にさいなまれたときは、
決まって女性を犯す。
小山内の恋人を、自分を慕ってくれる患者を。

それでも小山内の信念を裏付けるため
調査に奔走し、最後には結論を掴む。


矛盾した感情が共存しているのが、
納得できる仕方で描かれている。

こんな感情、現実にはごろごろしているけど、
マンガでここまで見事に描写してるのは凄いと思う。


バッタバッタ人が死んでいくのは『ブッダ』並だった。
「人が死ぬのを正で数えて」は吉本ばななだけど、
手塚治虫も同じくらいやりよってるとおもった。

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