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紫式子日記

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『人間昆虫記』手塚治虫



手に入れたのけっこう前なのに、
ナゼかレビュー書いてなかった。why?


他人の技術や作品を盗みつつ、
「マルチタレント」として表舞台に立ち続ける主人公。


でも彼女が「素」でいられるのは、死んだ母親の蝋人形の前だけ……。

エンディングは、風化した古代ギリシャの神殿。
主人公はつぶやく。

「私……さみしいわ……
 吹き飛ばされそう……」



なぜそんな心境になってまで、
なぜ殺人を重ねてまで、
彼女は名声を求めつづけるのだろう?



それはたぶん「不信」

自分に寄ってくる男たち、自分を持てはやす世間の声、
何よりも「真似をする」だけでしかない自分の才能。


それらが信じられなくて、彼女は「偽」でそれに報いる。


それでも彼女は辟易している。
かりそめでしかない自分の「才能」に群がる世間に。

男たちは見抜いている。
その「才能」がかりそめで、盗んだものであることに。
気づいていながら、彼女に囚われていく。
そして破滅する。
彼らにもまた、彼女は辟易している。

主人公はただ一人、彼女の「盗作」を非難した
かつての恋人を欲し、執着する。
しかし彼は手に入らない。これがヒント。


そう、たぶん彼女は「見破って」「非難して」
もらいたいと願っている


自分の「いつわり」を。
世間が持てはやす「かりそめ」を。


それをしてほしくて、彼女は躍り出つづける。
表舞台に。

でも、そこに幕が下りることって……あるんだろうか。

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『バカ姉弟』安達哲



数作新たに読んだ中で、
これは秀逸だったので
単独でエントリ。

「不定期」連載がまた
再開されていると聞くし。


妙にIQ高くて
こまっしゃくれた
ふたごの姉弟と、
2人の成長を見守る
近所の大人たち
(が振り回されるようす)

を描いた……コメディ……?

1話だけ立ち読みしたときは
あまり興味引かれなかったのですが、
ぜんぶ揃えて読んだらハマった。


ご姉弟自体がおもしろい
というより、

大人の勝手な思い込み、
余計なおせっかい

滑稽で楽しいのですね。

一見かわいいけど、実は
黒いまんがなんだと思う。


作者の安達哲って人は
もともと重いまんが
描く人らしいですね。

だからこんなに
ブラック風味だし、
人情とか情緒が
味わい深いのか。

5巻の最後に収録された、
成長後の弟が見せる
シスコンぶり
が、
たぶんこの人の
本領なんだと思う。

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最近読んでるまんが

やたらBook・Offで大量に買ったり
親元から持って帰ったりしてきている。
とはいえ目新しいものはないので
まとめて書いてしまおうと思う。


荒川アンダーザブリッジ 1 (1) (ヤングガンガンコミックス)
荒川アンダーザブリッジ 1 (1) (ヤングガンガンコミックス)

『聖★おにいさん』が
オニ面白いわけだが
こっちもおもろい。

しかし一番笑えたのは
キリストと仏陀が
出てきたギャグだった。


もやしもん―TALES OF AGRICULTURE (1) (イブニングKC (106))
もやしもん―TALES OF AGRICULTURE (1) (イブニングKC (106))

やっぱりコレ面白いよねー
と再認識。
知的わくわくが止まらない。
日本酒の話は
タメになるよなぁ。


きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)
きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)

立ち読みでちらちら
見てはいたんだけど、
まとめて読んだら
もっと面白かった。

レシピじっくり見る
余裕があるのも
あるんだろーけど。

料理は楽しいですよね。
「毎晩案件1個片付けるのと
同じ達成感が得られるなんて!」


ローゼンメイデン 1 (1) (バーズコミックス)
ローゼンメイデン 1 (1) (バーズコミックス)

内面世界へ内面世界へと
もぐっていってしまうけど、
まぁ性質上しょうがないか。

少数派かもですが
真紅がいちばん好きです。
あのたまに見せる
母性的な優しさがいいんです。

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『柔らかな頬』桐野夏生

柔らかな頬〈上〉 (文春文庫)  柔らかな頬〈下〉 (文春文庫)


なんか最近なにを読んでも人間の
「業」を感じてしまうのですが
本のセレクトが悪いのでしょうか。
どなたか宜しくご指南願います(´・ω・)


と、いうワケでまた
「業」まみれなミステリです。

むしろミステリの良し悪しって
そこに如何に「業」
きちんと描かれてるかによる

みたいな気がしてきたぞ。

犯罪って人間の「業」の
極端な現れ方の一面ですもんね。

宮部みゆきはそこんとこ
すごく意識、というか、
人間の弱さ・脆さ
すごくちゃんと描き出すよね。


今回読んだ桐野夏生は、
人間のエゴイズム?
残酷さ、身勝手さ
これでもかって描いてた。

いろんな登場人物の視点を
交錯させる、なんて
手法まで使って。

事件を境に、他人の酷さ・
自分の酷さを自覚して、
それでもなお
生きていかなければいけない。


たぶん他の作品だとまた
別のテーマなんだろうけどね。


結末も救い無い。
これ、読んでるこっちもキツいけど、
作者自身がいちばん消耗してると思う。。。


そこんとこ行くと森博嗣って、
ミステリというよりも
純粋な知的娯楽を求めてる感じだね。

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いま店頭に出てる美術雑誌

prints (プリンツ) 21 2008年夏号 特集・四谷シモン [雑誌]
prints (プリンツ) 21 2008年夏号 特集・四谷シモン [雑誌]

四谷シモン自体よりも、
細江や澁澤といった
アングラサブカル周辺の
資料としてほしい感じ。
しかし1,500円か……(泣)

あと、表紙は本人よりも
人形の写真の方が
売れる気がします。


美術手帖 2008年 04月号 [雑誌]
美術手帖 2008年 04月号 [雑誌]

これさえあれば
「知ったか」できるね!!


芸術新潮 2008年 04月号 [雑誌]
芸術新潮 2008年 04月号 [雑誌]

「ウルビーノのヴィーナス」展との
タイアップ?特集。
行きそびれて悔しいので買いません。

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