2008/06/21 Category : Books 『地球のはぐれ方―東京するめクラブ』村上春樹 吉本由美 都築響一 地球のはぐれ方―東京するめクラブ (文春文庫 (む5-8))とりあえず帯コピーがすごいんだ。「まずは魔都、名古屋!」( Д)゚ ゚あと、本文中に「日本は世界の名古屋、 地球は宇宙の名古屋」とかいう名言もあったないやwwwwwwwwwwwwwww確かに上手いしwwwwwwwwwwwwwww間違ってはいないんだがwwwwwwwwwwwwwwそのコピーのまんま名古屋地区で売るなよwwwwwwww故意にやってるとしたら文春の営業GJなわけだがするめのように「噛めば噛むほど味が出る」旅をしようという、「東京するめクラブ」こと村上春樹・吉本由美・都築響一のトリオがニホンと世界の「珍スポット」を旅して周るエッセイ本。さびしくさびれた熱海・清里の「活用案」をアツく語り、ハワイ・江ノ島の強みであるマイペースさを発見する。3人の、歯に衣着せぬながらも、愛のある言葉にはグッと来る。とりあえず都築響一のアングラチズムへの造詣は異常。(※勿論褒めてます)なにげにサハリンがいちばん面白いと思う。ほんっとに想像もつかない土地だし、考えること自体タブーみたいなところがあったから。少なくとも私は。あとやっぱり、村上春樹は文章上手いね。もう余生はエッセイだけ書いてればいいじゃない、と思った。 つづきはこちら [0回]PR
2008/06/20 Category : Books 『刺青・秘密』谷崎潤一郎 刺青・秘密久々に純文学!! と見せかけてエロ!!笑イャだって本当にエロ杉なんですもん谷崎センセ。具体的な「まぐわい」シーンが描写されてるわけじゃないけど、「言われてみると確かにエロい」。精神のチラリズムっていうかさ。そういう雰囲気、シチュエーションを掬い上げて、編み上げるのが上手かったんだなぁ、と思います。オトナの匂いのする自伝風小説『秘密』もいいんだけど、やっぱり私はおこちゃまなので、少年のSM性への目覚めを描いた『少年』が、読んでていちばんどきどきしました。さいきん仏教が好きなので、『二人の稚児』も楽しめたです。『母を恋うる記』は途中で読んでるのツラくなったけど、オチまで読んだらすっこーん、て落ちた。腑に。 [0回]
2008/06/19 Category : Comics 『愛すべき娘たち』よしながふみ 愛すべき娘たち (Jets comics)あまりにも童貞臭いまんがとか下品なまんがとかが続いたので、ちょっと「女子の本分」に立ち返ろうかと思います。現実に拠って立つ場所です、女子の生きる道です。 これは何度か立ち読みでかじり読んでいたのだけれど、「あれ、このまんがこんなフェミ(※褒め言葉)だったっけ……」って毎回驚いている気がする。んで、今回も。すごくねー、なんて言うんでしょう、「オンナであるがゆえの苦労」って言っていいのかな。そういうのを、ちゃーんと描いてくれるんですよね。「ツラいのは女だけじゃない! 男も大変なんだよ!!」とかそーいうハナシじゃないんですよ本当に。男の人も男の人で大変ってのはわかってるけど、この苦労は、オンナでなければありえなかった!!っていうのをきちんと描いてくれるんですよ、よしながふみって。(そうそう、よしながふみのまんがって、 男の人が苦労してるところも描いてるんですよね。偉いと思う。)「わかってるなー」って思う。「わかってくれてるなー、いいオトナだなー」って思います。私の中では「すごく物分りのいいお母さん」って感じ。「お母さん」っていうか、「母性の人」って言った方がいいかな。若い頃自分がさんざん「やんちゃ」してきて酸いも甘いも噛み分けてるから、「わかる、わかる、そーなのよねぇ」ってうなずいてくれる、けど娘のやろうとしてることが愚かしいとわかってても、止めてくれないお母さん(笑)。イタい思いした方が結果的に本人の「ため」になるってことまでわかってる、物分りの良すぎるおかーさん。収録作品は、どの話もグッと来ますね。とりあえず中学時代に「女性と仕事」について語り合った女子3人組、それぞれの「将来」を描いた第4話は鉄板かなー。ちなみに私の顔はこれに出てくる「佐伯」にそっくりです。あと、「人を分け隔てないこと」をモットーに生きてきて、結果、「人を分け隔てる行為」である「恋愛」をしない決意をした女性を描いた第3話は、非常に共感を抱いている友人がいて思い入れ深い。私がその子に「あんたの天職は尼僧だと思う」と言ったら、このまんがの話になった。納得した。とりあえず↓このネーム↓で、552円払う価値はあるでしょう。「母というものは要するに 一人の不完全な女の事なんだ」 [0回]