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紫式子日記

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『地球のはぐれ方―東京するめクラブ』村上春樹 吉本由美 都築響一



とりあえず帯コピーがすごいんだ。



「まずは魔都、名古屋!」


( Д)゚ ゚


あと、本文中に
「日本は世界の名古屋、
 地球は宇宙の名古屋」

とかいう名言もあったな


いやwwwwwwwwwwwwwww
確かに上手いしwwwwwwwwwwwwwww
間違ってはいないんだがwwwwwwwwwwwwww

そのコピーのまんま
名古屋地区で売るなよwwwwwwww


故意にやってるとしたら文春の営業GJなわけだが



するめのように「噛めば噛むほど味が出る」旅をしようという、
「東京するめクラブ」こと村上春樹・吉本由美・都築響一のトリオが
ニホンと世界の「珍スポット」を旅して周るエッセイ本。

さびしくさびれた熱海・清里の「活用案」をアツく語り、
ハワイ・江ノ島の強みであるマイペースさを発見する。
3人の、歯に衣着せぬながらも、のある言葉にはグッと来る。
とりあえず都築響一のアングラチズムへの造詣は異常。(※勿論褒めてます)



なにげにサハリンがいちばん面白いと思う。
ほんっとに想像もつかない土地だし、考えること自体
タブーみたいなところがあったから。少なくとも私は。



あとやっぱり、村上春樹は文章上手いね。
もう余生はエッセイだけ書いてればいいじゃない、と思った。

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『刺青・秘密』谷崎潤一郎



久々に純文学!! と見せかけてエロ!!

イャだって本当にエロ杉なんですもん谷崎センセ。
具体的な「まぐわい」シーンが描写されてるわけじゃないけど、
「言われてみると確かにエロい」。

精神のチラリズムっていうかさ。
そういう雰囲気、シチュエーションを掬い上げて、
編み上げるのが上手かったんだなぁ、と思います。



オトナの匂いのする自伝風小説『秘密』もいいんだけど、

やっぱり私はおこちゃまなので、少年のSM性への目覚めを描いた
『少年』が、読んでていちばんどきどきしました。

さいきん仏教が好きなので、『二人の稚児』も楽しめたです。

『母を恋うる記』は途中で読んでるのツラくなったけど、
オチまで読んだらすっこーん、て落ちた。腑に。

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『愛すべき娘たち』よしながふみ



あまりにも童貞臭いまんがとか下品なまんがとかが続いたので、
ちょっと「女子の本分」に立ち返ろうかと思います。

現実に拠って立つ場所です、女子の生きる道です。



これは何度か立ち読みでかじり読んでいたのだけれど、

「あれ、このまんがこんな
フェミ(※褒め言葉)だったっけ……」

って毎回驚いている気がする。んで、今回も。


すごくねー、なんて言うんでしょう、
「オンナであるがゆえの苦労」
って言っていいのかな。
そういうのを、ちゃーんと描いてくれるんですよね。

「ツラいのは女だけじゃない! 男も大変なんだよ!!」
とかそーいうハナシじゃないんですよ本当に。
男の人も男の人で大変ってのはわかってるけど、
この苦労は、オンナでなければありえなかった!!

っていうのをきちんと描いてくれるんですよ、よしながふみって。
(そうそう、よしながふみのまんがって、
 男の人が苦労してるところも描いてるんですよね。偉いと思う。)

「わかってるなー」
って思う。
「わかってくれてるなー、いいオトナだなー」
って思います。

私の中では「すごく物分りのいいお母さん」って感じ。
「お母さん」っていうか、「母性の人」って言った方がいいかな。

若い頃自分がさんざん「やんちゃ」してきて
酸いも甘いも噛み分けてるから、
「わかる、わかる、そーなのよねぇ」
ってうなずいてくれる、けど娘のやろうとしてることが
愚かしいとわかってても、止めてくれないお母さん(笑)。
イタい思いした方が結果的に本人の「ため」になる
ってことまでわかってる、物分りの良すぎるおかーさん。



収録作品は、どの話もグッと来ますね。

とりあえず中学時代に「女性と仕事」について語り合った女子3人組、
それぞれの「将来」を描いた第4話は鉄板かなー。
ちなみに私の顔はこれに出てくる「佐伯」にそっくりです。

あと、「人を分け隔てないこと」をモットーに生きてきて、結果、
「人を分け隔てる行為」である「恋愛」をしない決意をした女性を描いた
第3話は、非常に共感を抱いている友人がいて思い入れ深い。
私がその子に
「あんたの天職は尼僧だと思う」
と言ったら、このまんがの話になった。納得した。



とりあえず↓このネーム↓で、552円払う価値はあるでしょう。

「母というものは要するに
 一人の不完全な女の事なんだ」

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