2005/08/07 Category : TV NHKスペシャル「ZONE・核と人間」 帰省してます。帰省するとね、新聞とTV見るようになるから、一気に社会派くさくなるんですよ。今夜も帰ったら、ついてたTVがNHKスペシャル「ZONE・核と人間」。ZONEというのは放射能で汚染された立入禁止区域のこと。それが地球上にどんどん増え、拡がりすぎ、今やその境界は失われつつある……という話。プラス、クロード・イーザリー少佐と文通していたユダヤ人哲学者、ギュンター・アンデルスの言葉「良心の立入禁止区域」にも掛かってるんだと思う。(※ 名前を失念していましたが、parsleyさんに教えてもらいました)「良心の立入禁止区域」っていうのは、良心が立ち入ることのできない、倫理・人道を忘れてしまった状態のこと。2人の間で遣り取りされた書簡をまとめた書籍の題名でもあります。イーザリー少佐は、広島への原爆投下が可能だと判断をした人なんです。そして原爆投下に関与してしまったことに物凄く後悔の念を抱いていて、だけれどアメリカ政府は公式には原爆投下を正当な判断としているから、異常者として精神病院に入れられていたんですね。そしてアンデルスは往復書簡の中で、「あなたの後悔は間違っていない、これからも良心の立入禁止区域を作らないように」って語りかけていたんです。アンデルスは、世界大戦を境に、人々が「良心の立入禁止区域」を作り、良心の呵責を感じることなく「虐殺システム」の歯車やネジのような部品になってしまう社会になったとも述べていたそうです。『モダン・タイムズ』は人々が工業化社会の歯車になってしまうことに警鐘を鳴らした映画だけれど、その戦争社会バージョンと言えましょうか。それって、国家・民族関係なく、現代に生きる私たち全員が警戒して、自省すべきことなんだろうなぁと。 つづきはこちら [3回]PR
2005/08/05 Category : Music 『死んだ女の子』元ちとせ 皆、DLした?すっごいよ。携帯なのにゾクゾクした。そうか、今年60年なんだね。反省するタイミングを逃して、そのまま安穏してる平和国家ってどうなんだろう。『死んだ女の子』元ちとせ [0回]
2005/08/05 Category : Comics 『西荻夫婦』やまだないと 西荻夫婦やまだないとは、ブレたような線がずっと好きになれなかったのだけれど、KIMONO姫に連載?されているまんが「メロリヒメ」に好感が持てて、試しに立ち読みして良い感じだったこの作品を購入。西荻窪に住む漫画家のナイトーくんと、会社勤めのミーちゃん夫婦(おそらくやまだないと夫妻がモデルと思われる)。そして古き良き「ご近所どうしの交流」が残る町で過ぎていく日常。ただしミーちゃんはたまに世界の終わりを想像して泣くのが趣味。常に"終わり"の感覚を抱え、何気ない日常生活にも透明な不穏さが影を落とします。でも、それは決して汚らしいものではなく、風景の色彩がより鮮明になるフィルター。そんな風にして過ぎていく、夫婦生活が静かに、静かに描かれていきます。私、西荻窪に住むはずだったんですよ。知り合いの家があって、下宿する予定だったんですね。結局その話は流れてしまったのですが、受験期はそのお宅にお世話になったため、私には数週間西荻で生活した経験があるんです。このまんがに西荻の風景写真がところどころ使われていて、「あぁ、此処此処」って気分になってました。そして何より内容のリアルな哀しさ、静けさ。「一人になると二人を感じる よかった まだ わたしたちは他人だ…」「明日が来なくても まあ もう充分ってカンジかなー 恋愛じゃないからね」「わたしの中に"終わり"の感覚がある わたしたちはよりそって歩いている だけど明日は会えないことを知っている そんな場所を歩いてる……気分に襲われる」 つづきはこちら [0回]
2005/08/04 Category : Books 『ドグラ・マグラ』夢野久作 ドグラ・マグラ (上)ドグラ・マグラ (下)私これ、上巻だけは1年の時に読んであったんですよね。でもそこで挫折して、2年ぶりにめくってみたら上巻の内容も忘れてて、しょうがないから上巻から読み直しました。んで、やっとさっき下巻読み終わりましたよ。あー、アタマ疲れた……。この小説は気持悪いね!いや、描写がグロいとかじゃなくて(そういうところもあるけど)。いちおう推理小説なんですよ。だけど、ひとつの真実を浮き彫りにしていくんじゃなくて、その時・その場面で最有力な説っていうのが、二転三転していく。非常に気分が悪い。落ち着かない。そしてあのオチ!! 残酷!いゃー……日本最高峰の奇書。ガンガンに振り回していただきました。文学の力、みたいなのを久しぶりに感じましたね。 [0回]