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紫式子日記

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『半落ち』


半落ち
半落ち



ベーシックな構図。

ベーシックな脚本。

ベタベーシックなキャスト。

けれど、ひとつひとつを忠実に、丁寧に作ってあるから、すごく響く。

きちんと「感動すること」に集中できる。

脇役ひとりひとりの挿話にもそれぞれ考えさせられるんだけれど、ストーリーがしっかりしてるから、本筋を見失わずに済む。

うーん、すごいなぁ。



愛する人を愛すること、見知らぬ人を愛すること、いのちを愛すること。

テーマは重いし、提起されている問題も重大なんですけれど、ラストシーンの力ですごくきれいにまとまっています。

いい話だし、作り方も上手い。

ベーシックな「名作」だと思います。

映画館で観るのがもちろんベストでしょうけれど、家のTVでじっくり観るのも良さそう。



あと、伊原剛志があんなにカッコよかったとは知らなんだ。

ハタチ過ぎてからこっち、完璧に好みが和食だなぁ……。



『半落ち』 オフィシャルサイト

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『インプリント 〜ぼっけぇ、きょうてぇ〜』


オフィシャルサイト:『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』

あの岩井志麻子姐さんの代表作『ぼっけぇ、きょうてぇ』を『着信アリ』の監督が映画化!!

いや、実は原作読んでなかったんですけどね……。

これ面白いのが、日本の話を日本のスタッフが映画化しているのに、アメリカで上映することを前提にして全編英語で撮ってあるんです。

そして、英語だと原作の持ち味である岡山訛りが出せないため、敢えてニホンゴ訛りの英語にしてあるのです。

そういう試みを見てみるのも面白いなぁ、と、比較的軽いノリで行ったのですが……



めちゃめちゃヤバかった。。。



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指定ワードバトン『サブカル』


妖精と黒薔薇の書架のつばきさんから回していただきました〜。



指定ワードバトン

お題は『サブカル』

Q1:PCまたは本棚に入っている『サブカル』

Q2:今、妄想している『サブカル』

Q3:最初に出会った『サブカル』

Q4:特別に思い入れのある『サブカル』

Q5:次に回す人5人とお題



というかそもそもサブカルって何ぞなもし。

Wikipediaには「既存の体制、価値観、伝統にあい対するもの」みたいに書いてありますが。

(参考:Wikipedia「サブカル」

とりあえずここでは、「ダークでエロとかグロとかあって、一般ウケが悪いけれどたまぁ〜に熱烈なファンがいる文化」ってことにしてみましょう。



後輩の某くんが

「サブカルって、ビレバンで売ってるもののことでしょ!?」

嬉々として言っていたけれど、おばさん、ビレバンはちょっとポップすぎる気がする。

サブカルに興味を持ちつつも決してこちらの住人になろうとはしない一般人のための施設 って感じもするし。



う〜ん、しかしたまたま『ライチ☆光クラブ』を読んだだけで、私自身は決してサブカルの住人ではないつもりなのですが。

むしろオタクにもサブカルにもアングラにもインテリにもなれない、どこつかずのエアープラントみたいな自意識でいるんですが。

でもこの「オレは他とは違う」みたいな意識が如何にも「サブカル」な精神で・す・よ・ね〜。



というわけで大人しくバトンやります。




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『パイドパイパー(6)』浅田寅ヲ


パイドパイパー 6 (6)
パイドパイパー 6 (6)



大好きな浅田寅ヲの、大好きなこのまんが。

終わっちゃった……。

さみしい。。。



ですけれど、ちゃんと「らしい」終わり方をしてくれていて嬉しかったです。

ハナシでかくなるんだろうな〜 って予感はあったけれど、まさかここまで大きくなるとは。。

やっぱり、軸になったのは「民族」でしたね。

夏比古の屈折・生きづらさを通してずっと放たれていたメッセージが、最終巻でことばになっています。



「自分たちと異質なものをあげつらってさげすむのに

 喜びを見い出すのがヒトって生き物で本能で

 俺はそういうのやなの」



他にも名言オンパレード。

浅田寅ヲのまんがって、「絵で語る」部分が多いから、却ってことばの重みが生きるんだよなぁ。

上手い。



「でも俺 君を死なせたりしない

 死んだ方がましな人生を

 生かされる地獄ってのがあるんだよ

 それを地獄ととるか否かは君次第だよ

 どんなものにもこの世界に生かされる理由がある

 生きて踏みとどまらせてやる

 理由がわかるその日まで 世界を見届けろ」



「一生に一度賭けるものが見つかったなら

 この世に生かされてる意味が見つかったってことだ」




まぁ、どんな名言でも文脈がなければ「木を見て森を見ず」、下手すれば「葉を見て森を見ず」

完結もしたことですし、皆さんも全巻読破してくださいよ。


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『ライチ☆光クラブ』古屋兎丸


ライチ☆光クラブ
ライチ☆光クラブ



私も大人になったもので、とうとう古屋兎丸の新刊正規価格で買うようになりました。

古屋兎丸との出会いは「ダ・ヴィンチ」に連載されている1ページまんがでしょうかね。

当時は古屋兎丸=アングラダークな絵を描く人、という先入観があって(それもあながち間違いではないんだけれど)、どうしてもあのスタイリッシュなタッチと結びつかなかった……。

それが「エロティクスf」に連載されているこの作品を観て……まぁ主人公がキレたメガネくんだったってのが大きいですよね……単行本を買うまでになるとは

初めて「ダ・ヴィンチ」を立ち読みした高校生時代の私に言ってやりたいですよ。



閑話休題。

古屋兎丸ってだけで充分アングラなんでしょうが、この作品、元はアングラ演劇だったそうですね。

(参考:Wikipedia「東京グランギニョル」

やけにロケーションが閉鎖的だなぁと思ったら、そういうことだったのか。

そういうこともあり、古屋兎丸の作品の中でも、画面に占めるの割合が多めだと思う。

少なくとも『π(パイ)』の蛍光灯みたいな明るさはない。



ストーリーとしては、人間の情(感情・愛情)とは? というのを、残虐な少年たちと彼らによって造られたロボットとの対比も交えながら、逆説的に描くコミック・ノワール

ストーリーとしては呆気ないんですし、残虐なシーンも多いのですけれど、描かれているものは重くて暖かいです。


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