2006/07/17 Category : Movies 『カーズ』 カーズガラにもなくディズニーアニメなんか観てきちゃったぜぃ☆PIXERの新作『カーズ』ですよ。総評を先に述べさせていただくと、いい話でした。ハイ。「青年の成長物語」なんですね、シンプルな。キホンに忠実な筋立てだったし、主人公が人間的(クルマ的?)に成長していく過程のエピソードがきちんと作りこまれているので、安っぽくなかったのです。特にラスト、主人公の粋な行動がカッコいい。70年代ロードムービーを意識しすぎなのには閉口したけど。ただでさえストーリーが「古き良き」時代のものを下敷きにしているので、パロディくささが鼻に付くというか。テーマ曲が全部あの辺の曲調なんです。それでターゲット層も不明確になってる。子どもにはわからない70's小ネタが満載だし、「小さい子供がいる親」の世代もハズしているし。中高年を取り込もうにも、そもそも中高年は観ないんじゃないかという。と、いろいろ言いつつもいい話だったので、もうそれで良いかなと。帰りがけ、観に来ていた子どもが親に「楽しかったー」って言ってました。子どもがそう言える映画なら、もうそれだけで良いよね。 [0回]PR
2006/07/14 Category : Comics 『甲賀忍法帖・改』浅田寅ヲ 甲賀忍法帖・改 (1)サイバー!!!Amazonレビューだかで誰かが書いてたんだけど、「表紙のまんまの中身」です。もう、果てしなくサイバー。人別帖がケータイなんですよ。SF忍法帖って言っても過言じゃない。これはアンチも出るよなぁ。アンチって言っても、びっくりしすぎなだけだと思うけど。ネタが何であろうと私は寅ヲシンパなので、好き好き大好きなのですけれどね。つぅか、カッコいいんで。単純に。「原作が一緒」ってことでたぶん『バジリスク』とは競合他社なんですが、もはやお互いに比較の対象ではないと思う。やろうとしてることが根底から違うんだもーんむしろ、このくらいブッ飛んでる方が、山田風太郎的でイイんじゃないかと思うのですが。まぁ、好きずきですな。でも『バジリスク』と読み比べた限り、忍術やキャラの設定は原作に忠実なんだよね。解釈が自由なだけで。そのさじ加減がステキな寅ヲ先生。展開も速くて、痛快です。最低3回は読み返さないと何が起こっているのかわからないのは、浅田寅ヲの持ち味だと言い張ります。いゃー そのくらい脳にシゲキを与えるまんがじゃないとさ、読んでてもつまらんじゃん?? つづきはこちら [0回]
2006/07/13 Category : Comics 『BLACK JACK NEO (2)』田口雅之 BLACK JACK NEO 2 (2)来ました、田口版『B.J.』第2巻っ!!1巻のレビューはこちらっ。今回の収録作品は幼児虐待がテーマっ!脳に悪性腫瘍のできた母親が双子の息子に虐待を加えていた。母親はBJの手術で回復するものの、息子たちは現在……という話なのです。虐待された辛さを抱えつつも、母親に愛されてもいた、そのことを懐かしまなければいけないこと。そして、その想いを大切に、他人を信じようと努力しなければいけないこと。自身も母親を亡くし、父親を恨みながら生きてきたBJだからこそ言えるセリフが語られます。エンドシーン、少年時代のBJが母親に語りかけるシーンの回想が切ない。他にはピノコに肉体を与えた際のエピソードを基にした『P嬢の憂鬱』と、『BLACK JACK ALIVE』に寄稿した「心眼」が収録されています。「私は“医者”ですよっ…… “網膜”に写る……偽りの美醜などでっ…… 物事を見ないっ……」BJではない、田口雅之オリジナル読みきり殺し屋ハードボイルド『クラウディア』も同時収録。知ってたけど、やっぱり「こっちのが軸足なんだな」って感じ。どれも良いハナシなのですが、虐待されていた双子の片割れ・サルタヒコーネ(言わずもがなで猿田がモデル)の鼻の描写がグロテスクで、ちょい、クる。でもこの人……本当に画力あるんだなー ってのはわかります。よ。ただ、ネーム上手くないんだよな。「っ」が多いっ……。 [0回]
2006/07/12 Category : Comics 『リストランテ・パラディーゾ』オノナツメ リストランテ・パラディーゾやれやれ、もったい付けてないでいい加減更新しましょうか。まんがばっか読んでます。どうも私の文化生活はむらがあって良くない。『クマとインテリ』で異彩を放っていたbasso先生の、別名義によるヘテロまんが。若い女の子・ニコレッタが、親より歳の離れた紳士・クラウディオに思いを寄せます。クラウディオと関わる中で、彼の前妻やニコレッタ自身の母親などと、心ごと真っ直ぐ接するニコレッタが爽やか。他の登場人物も、表し方こそ違えど、皆それぞれに優しいんですよ。そしてたぶん誰よりも、オノナツメ自身がキャラクターを幸せにしようと思っている。だからでしょうね、「心温まる」という表現が、上滑りせず、しっくりきます。まぁ……老眼鏡紳士モノで売ろうという戦略が見えますが。でも、老眼鏡紳士目当てでこのまんがを買う人はいるのかしら。たぶん皆、買ってから(それこそ主人公のニコレッタのように)「私 紳士大丈夫そう」って思うようになるんじゃないのかしら。かく言う私もルチアーノにヤられたから何も言えないんだけどさ。毒舌老眼鏡。 [0回]
2006/07/01 Category : Movies 『博士の愛した数式』 博士の愛した数式The号泣。どうしてでしょう。誰かが死ぬわけでも壮絶に愛の炎を燃やすわけでもないのに、何がこんなに胸を締め付けるのでしょう。それはたぶん愛です。愛はiです。虚数です。謙虚な数です。元々「理系的なハナシ」は好きな人間なので、こういうお話はワクワクする。博士の「潔い数字だ」(24)とか「チャーミングな数字だ」(220)っていうコメントも、いちいちほっこりするし。道ならぬ恋をしていた義姉には「eのπi乗=−1」と書き送っていたのを、「eのπi乗+1=0」と書き換えるようになったのは、マイナスだった時間が「永遠である現在」として動き出したことを示している、みたいな解釈でいいのかしらね。あぁ、愛だった……愛だなぁ。ことばにしてしまうとそれだけなんですが、それをじっくり感じることができる映画でした。大人になった√(吉岡秀隆)が数学教師として教壇に立ち、博士と数学の話をする……という映画独自の設定も見事だったと思います。まとまりが出てた。しかし、『半落ち』でも思ったけど、吉岡秀隆の芸能界でのポジションはオイシイよなぁ。。。 つづきはこちら [0回]