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紫式子日記

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「靉光展」




雨の竹橋、久しぶりに空いている美術館。

ていうか美術館自体久しぶり。



靉光は、1946年に38歳の若さで戦病死した画家。

実は知らない画家だったのだけれど、ポスターの絵の妙な薄暗さと、同時開催の「リアルのためのフィクション」展に惹かれ、参拝。



やはり東京国立近代美術館にはハズレがないなぁ、と再認識。

わかりやすく「魅力的」ではないんだけれど、混沌とか苦悩とか、暗さとちょっとのユーモア

いろんな画風を試した(試している最中に死んでしまった)人だから、

「ぜんぶお気に入り!」

ってことはないだろうけれど、たぶん誰にでも1〜2枚は「クる」と思う。



私が「キた」のは1940年の『花園』と1941年の『百合』。

前者は『花園』と銘打ちながら、赤褐色のウネウネしたものが蝶を呑み込まんとしている、さながら地獄絵図

対して後者は、日本画の技法を継承しているんだけれど、花と茎との結節点までしか色を塗っていない。

その塗り残し方が、妙に色っぽい。



キホンどろどろした画風の人だったのに、徴兵直前の最晩年は、色も筆遣いもさらさらしていたのに、しんみりしてしまった。





西端100年 靉光展 Webページ

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『レニ』


レニ
レニ


レニ・リーフェンシュタールというドイツの映画監督……と言っていいのかちら……のドキュメンタリー。

この人、ナチの党大会やベルリン五輪のドキュメンタリー映画を撮ったので、戦後はさながら「戦犯」扱い、「恥ずべき歴史」の一部のように扱われている人なんですね。

そのため「誤解」「偏見」が今なお激しいのですが、真の彼女はどんな人物なのか? という視点から、最終的には

「彼女もまた、ナチの被害者だったのでは?」

というところに達します。



聖山 (トールケース)
聖山 (トールケース)


レニはもともとダンサーで、膝を痛めてからは映画女優に転身。

山岳映画が十八番で、『聖山』で見せた「たくましさ」と「清らかさ」を兼ね備えた姿が、ヒトラーの理想と重なったようです。



やがて自分自身もメガホンを執るようになった彼女に、党大会撮影のオファーが来ます。

芸術性・技術、共にハイレベルだった彼女の作品は他の撮影者とは一線を画していました。

それゆえ「民衆への影響力は多大だった」とされていますが、彼女自身は

「政治には疎かった」

「ナチ党員でもなかったし、反ユダヤでもなかった。」

もともと民族差別には反感を抱いていたようです。

「この意見には賛成」「反対」と書き込みをした『我が闘争』を、うっかりヒトラーに見られた、なんてエピソードも。



描かれるのは、あくまで「芸術家」「表現者」としてのレニの姿。

「依頼されたから撮っただけ」

と素っ気なく言いながらも、自分が撮った映像を見ると、

「このときはこんな効果を使ったのよ」

と目を輝かせる姿が、繰り返し捉えられます。

彼女は本当にナイーブに、自分が求めた芸術的理想を追求していっただけなのでは……。



「国民はあなたが謝罪するのを待っているのでは?」

という問には、泣きそうな表情で答えていました。

「どこに私の罪があるのですか?」



民族の祭典 (トールケース) 美の祭典 (トールケース)

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『ゆれる』


ゆれる
ゆれる


ぎょわーすさまじかったわー

『キューティーハニー』や『下妻物語』でアタマ甘やかしてた反動で。



嫉妬。

この重み。

嫉妬する重さ、される重さ。

相手が肉親であるがゆえに嫉妬は深くなるし、情とまざって純度を失うし、

「知ったこっちゃ」って言って済まないリアル。

法廷で語られることが認識されている「事実」とすら違いうるというリアル。

『それでもボクは』と並べて、法廷モノ2本立てってやると面白いかも。



あー西川美和うまかったなー。

色彩キレイねこのひと。

誰かに似てる……ヴェンダースか?

激昂するシーンほどBGM入れないのとか、好きです。

ラストは上手く逃げ切ったなと苦笑い、拍手。


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映画『下妻物語』


下妻物語 スペシャル・エディション 〈2枚組〉
下妻物語 スペシャル・エディション 〈2枚組〉


なぜか原作は昔読んであったんですが、映画は「イマサラ」。



かわゆかったです。ラクに観れました(『松子』と違って・笑)。

「ジャスコだよ!」

は名言。

映画ならではのネタもはさまれて、ねぇ(恋なんだ!とか)。

ただ、エンドロールで深キョン「も」ヤンキー姿が似合ってたのが、もどかしかったです。



原作。

下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん
下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん



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映画『恋の門』


恋の門 スペシャル・エディション (初回限定版)
恋の門 スペシャル・エディション (初回限定版)


疲れた夜だからネタ映画を見ようシリーズ第二弾。



『キューティーハニー』に続いてコスプレものなわけですが、

コスプレがガチで村上隆や庵野監督に愛されているサトエリと違い、

フツーの子っぽい酒井若菜がコスプレをするっていうのは

妙なリアリティーがあって萌えますね。



松尾スズキの演出能力もスゴかった。

よくぞこの起承転結のない原作を、

映画に収まるように編集し、


しかも目の離せないテンポで展開する

前半の門を動かす原動力が、肉欲だと強調されてたのが映画らしくわかりやすくて好感。



さりげなく大物が出まくってるのも嬉しい。

Wアンノ夫妻だけが目当てだったのですが、

大竹まことにはびっくりした。

あとキヨシー!!

そいや公式サイトに曲流れてたなぁ。


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