2007/03/04 Category : Movies 『レニ』 レニレニ・リーフェンシュタールというドイツの映画監督……と言っていいのかちら……のドキュメンタリー。この人、ナチの党大会やベルリン五輪のドキュメンタリー映画を撮ったので、戦後はさながら「戦犯」扱い、「恥ずべき歴史」の一部のように扱われている人なんですね。そのため「誤解」「偏見」が今なお激しいのですが、真の彼女はどんな人物なのか? という視点から、最終的には「彼女もまた、ナチの被害者だったのでは?」というところに達します。聖山 (トールケース)レニはもともとダンサーで、膝を痛めてからは映画女優に転身。山岳映画が十八番で、『聖山』で見せた「たくましさ」と「清らかさ」を兼ね備えた姿が、ヒトラーの理想と重なったようです。やがて自分自身もメガホンを執るようになった彼女に、党大会撮影のオファーが来ます。芸術性・技術、共にハイレベルだった彼女の作品は他の撮影者とは一線を画していました。それゆえ「民衆への影響力は多大だった」とされていますが、彼女自身は「政治には疎かった」「ナチ党員でもなかったし、反ユダヤでもなかった。」もともと民族差別には反感を抱いていたようです。「この意見には賛成」「反対」と書き込みをした『我が闘争』を、うっかりヒトラーに見られた、なんてエピソードも。描かれるのは、あくまで「芸術家」「表現者」としてのレニの姿。「依頼されたから撮っただけ」と素っ気なく言いながらも、自分が撮った映像を見ると、「このときはこんな効果を使ったのよ」と目を輝かせる姿が、繰り返し捉えられます。彼女は本当にナイーブに、自分が求めた芸術的理想を追求していっただけなのでは……。「国民はあなたが謝罪するのを待っているのでは?」という問には、泣きそうな表情で答えていました。「どこに私の罪があるのですか?」 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword