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紫式子日記

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変貌

なぜか唐突にこの単語が気になったので書いてみようと思う次第であることよ(古文現代語訳調)。

変貌。

変化でも変遷でもなく、変貌。

この「ぼー」って音がイイのかもしれません。

へんぼー。



いちお各語の定義を書いておくと↓
【変化】?性質・状態・位置・形などが変わること。?文法で、ある語が用法に応じて語形を変えること。格変化・語尾変化など。

【変形】形が変わること。変えること。また、その形。

【変身】他のものに姿を変えること。変えた姿。

【変遷】時とともに移り変わること。

【変貌】姿やようすが変わること。



(講談社『日本語大辞典 第二版』より)



あぁ、「貌」って「ようす」のことだもんね。

そりゃそうだ。



なぜこの「へんぼー」ってことばが、他の「変わる」系の熟語より私に鮮烈な印象を与えるのか。

三秒くらい考え込んだらわかりましたよ、ダリの絵に『ナントカの変貌』ってのがあったんです。

その絵に限らずダリの絵は森羅万象を「変貌」させてますけどね。

手元の『週間美術館』見て思い出しました、『ナルシスの変貌』ですよ。

知ってる人も多いんじゃないでしょうか、「ナルシスト」のナルシスです。

ギリシャ神話の美少年で、水面に映る自分の美貌に見惚れて水仙に変貌したしやわせ者です。



まー話の筋だけ聞くと「あほやなぁ」とか「神話やなぁ」とか、いろいろとシラけた気分になるわけですが、ダリのこの絵を見ると、一気に物語に神妙さが生まれてきやしませんか。

それとも珍妙さのまつがいですか。失礼すました。



えー、でも神秘的ムード、出てるって。

決してきれいな色ではないと私も思うけどさ。

濁ってて汚いよ、彼の使う色は。リアルすぎて気持ち悪いって私も前言ったさ。

でも濁っているゆえのダークさ・崇高さ・荘厳さみたいなのがある気がしてきた。

特に神話・宗教的モチーフを使ってる作品には。

やっぱそういうスピリチュアルなものへの敬意なんでしょうか、それとも侮辱なんでしょうか。



まぁ、そんなこんなで……「変貌」。

考えてみたら妙なことばじゃありません?

姿・かたちが変わることに焦点を合わせていて、内部の変化を示していない。

イレモノが変わればナカミも変わってしかるべきだと思うんですが。。。

別に「中身は変わらず、外見だけ変化すること」なんて限定はされてませんけど、中身は変わってなくても、外見さえ変わっていれば「変貌」って言えるわけでしょ。

あ、私がこの2〜3年で遂げてきたのも「変貌」かもしれないなぁ。

着る服のテイストばかり変わって、中身は大して変化してない。成長もしてない。

それで今ちょっと中身ごと「変化」しようとがんばり中なワケだけど。

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