2009/10/11 Category : Music 耳で感じる「左極の聖性」 ~書上奈朋子『PIANOIR』~ 書上奈朋子のピアノ曲が収録されている、と聞いたものでエキセントリック・オペラが一時所属していた癒し系レーベル「Kanon」(だったの?)のピアノ・コンピレーション・アルバム『Avec Piano』をようやっと買った。Avec Piano「たった1曲だし、ピアノの音苦手だし、 どんな曲かもわからんのにお金出すのはなー」とずっと迷っていたのですが、youtubeで動画を発見、「ひと耳惚れ」して速攻Amazonでポチでした(・∀・)他の曲も良かったんですが、やっぱ書上奈朋子のこの曲ばかり延々1曲リピートしてしまいます。曲は動画でお聴きいただければよいかと思うのですが、この不吉さ不気味さ、それゆえの崇高さ。本当にバタイユの言う「左極の聖性」を現出してるなー、と思う。死とか禍々しいものに接したときに感じる、不浄で不吉な聖性。重なるグレゴリオ聖歌風のコーラスがさらに雰囲気を高めていますね。「左極の聖性」「右極の聖性」については↓のblog記事の冒頭でわかりやすくまとめられています。★todaeiji-weblog様「15 都市の中の寺院 02」読むならこっち↓ゴシックとは何か―大聖堂の精神史 (ちくま学芸文庫)書上奈朋子の楽曲は、長調で癒し系のものもあるけど印象が強い曲のほとんどは短調の「左極の聖性」系で、得体が知れないけれど心地よい、どこか暗いところに手を引いていかれる感覚があるんだけど、そんな楽曲の中でも『PIANOIR』は抜群の怪しさ。「NOIR」=「黒」の名を冠しただけあると思います。でも本人にこの題名について聴いたら「まぁグランドピアノはほとんどが黒いですからね……」とか言いそうでコワい。おまけとして、各演奏者が作品に寄せてるコメントでも書上奈朋子は異彩を放っていた。他の演奏者が「明日への希望と夢を抱くための休息」とか「深い森の泉から、清らかな水があふれるイメージ」とか書いてる中で「小さいころ家にあったピアノは、時々誰もいない部屋で 必ず決まった音を鳴らしてました。 家族みんな聞きました。高いAの音です。」ホラーwwwwww [1回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword