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紫式子日記

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『唄ひ手冥利』椎名林檎


mixiで遊んでたら2日もの間隙ができてしまった(猛省;)。



唄ひ手冥利〜其の壱〜
唄ひ手冥利~其の壱~




椎名林檎は嫌いではないです。

むしろ、私が聴く数少ない音楽の大部分を占めています。

信者と言うほどではありませんが、共感できる部分もままあり、好感を持っています。

で、この度『唄ひ手冥利』を中古にてお安く手に入れましたので、レヴューがてら「椎名林檎論」でも軽〜くかすめる程度にかましてみようかな、という話です。

実験的に椎名林檎書きコトバでw ウザかろうけどww



云ふまでも無いかと思ひますが、此方は全編カヴァーアルバム。

椎名林檎姫が育つ中で聴き、且つ影響を享けて来た国内外の名曲へのオマージュと云ふ体裁に成つて居ります。

選ばれて居る曲目は、『白い小鳩』『木綿のハンカチーフ』と云つた昭和歌謡の雄から、『starting over』『jazz a go go』と云つた懐かしの洋楽、其の上『野薔薇』『子守唄』等クラシックの名曲まで、と、多岐に渡つて居ります。

此れは何処かのレヴューに在つた言葉ですが、「オリジナル曲では無いが故に椎名林檎の歌唱力が際立つ」、正に其の通りのアルバムに成つて居ります。



さて、此れを聴きまして私こと村崎式子が感銘を受けましたのは、椎名林檎姫の歌唱力・亀田/森両氏のアレンヂセンスも然る事乍、姫の造詣の深さで御座居ます。

上にも述べました通り、此方のカヴァーアルバムでの選曲は古今東西に渡つて居ります。

其れは取りも直さず姫に蓄積されて居る音楽の量・幅の多さ・広さを表して居ると云へるでせう。

私は此処に姫のカリスマ性の要因壱つを見た気が致しました。



過去の文物の蓄積と云ふ物は、文字通りの「並大抵」な生活をして居ては身に着きません。

「今」の文物は「今」生きて居さえすれば知識として頭に入りますが、「過去」の文物は此方から手に入れに行く必要が在ります。

若者に関しては殊にさう云へます。

人は生きて居れば「過去」の蓄積は増えて行きますが、若者には其れが無い。

然りとて「今」存在する文物は総て、「過去」の文物の蓄積です。

上辺をなぞる事なぞ誰にでも出来ますが、「今」を真に理解するには「過去」をも知り、理解して居なければ成りません。



さて其処で椎名林檎姫です……彼女は古今東西の、然も良質な音楽に浸つて育つた事が窺えます(御兄様も歌手で在らせられますし)。

勿論音楽で暮らしを立てて居る方々は、皆往々にして過去の良質な音楽への造詣が御在りなのでせうが、姫は其の事を自らの作品にて明示して居ます(メロディライン、歌詞のモチィフ等)。

結果として姫の音楽には如何様でない、「本物」感が漂つているのでは、と思ひ至つた次第です。

亦、私が今稚拙乍模倣して居る独特の擬古文めいた文体……これも知性・教養を感ぢさせる一要因なのでせう。

そして、「本物」を求めつつも「今」しか知らない故に紛ひ物しか手に出来ないと懼れている、其の様な少女達のハァトを掴むのでは無いでせうか。



此は美輪明宏氏の人気の理由をヒントとし、考へた仮説にて御座居ます。

私は彼を、伝統的な文化・芸術等々諸分野への造詣の深さ故、現在人気を博して居る「文化人」の生き残りと捉えて居ります故。

斯様な考へを皆様、如何お考へでせうか。

是非、御検証の程を御願ひ致します。




あー疲れた・笑。

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