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紫式子日記

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韓国ギャングやおい漫画としての『サンケンロック』

まずは日曜のコミティア97お疲れ様でした!
鰊パイ互助会の出版物をご購入いただいた皆さまに
改めてお礼を申し上げます、ありがとうございました。
三次元でははじめまして、の方にも
たくさんごあいさつでき、嬉しかったです。
お久しぶりですしそびれちゃった人がいたのは残念ですが……。



さて今回も頭が発酵気味の話です。
『サンケンロック』という、ギャングまんががあります。
サンケンロック 1 (ヤングキングコミックス)
サンケンロック 1 (ヤングキングコミックス)Boichi

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ヤクザやギャングを物語の中で描くと、登場人物たちの関係は極論
「殺しあうか慕いあうか」の二択になるのではないかと思います。
『アウトレイジ』は前者成分多め、『本気!』は後者成分多めの好例ですね。
『サンケンロック』も『本気!』同様、ほとんどが後者成分でできています。

『本気!』ご存知の皆さまはご承知かと思いますが、
こと「慕い合うヤクザ」を描こうとすると
忠義の世界に人間としての尊敬・憧れが加わって
ベッタベタのホモセクシャルな雰囲気に仕上がります。
『サンケンロック』も例に漏れません。

ただでさえそうなのに昨日発売された最新巻13巻が、
なんかかつてない程にやおいだったので、
荒ぶるボルテージをぶつけてのご紹介です。



『サンケンロック』は主人公の日本人少年・ケンが
憧れの女の子を追いかけて韓国に渡ったら
なぜかギャングのボスにまつりあげられて
韓国を手中に収める流れになってしまったでござる、という
あらすじだけ書くとシンデレラみたいな物語です。

もっと言うと「なぜか」の部分には
ケンの強さ・まっすぐさ・優しさ・男らしさに
惚れこんだ屈強な男たちが次々仲間になってくれ、
「ボス・ケン」と慕ってくれ……という経緯があります。



で、最初にケンを見初めてボスになるよう頼んだのが
泰秀(テス)という青年なんですね。
各位、これ立ち読みしていただければと思うんですが
めっちゃ美青年です。Boichi先生の画力と相まって
すごく美形のキャラデザです。
髪も長くてフェミニンな印象です。

このテスってのは元々韓国の有力ギャングの跡取り息子です。
父親の部下の裏切りによって放逐されていたのですが、
父親や自分に忠実だった元の部下たちに支えられ、
虎視眈々と復讐の機を窺っていました。

なので本来は彼自身こそが韓国裏社会の
次世代を担うリーダーになるのが自然な流れです。
それにもかかわらずテスはケンを口説き落とし、
膝をついて忠誠を誓い、ケンのために
自分のもてる資産運用力・経営力・政治力を
フルに活用して見せます。
いわゆるインテリヤクザではあるのですが、
おわかりですね、押しかけ女房で良妻です。



今回もテスはケンのため、組織を大きくするために
ある計画を進めていたのですが、
策を弄するあまり策に溺れ、足元をすくわれてしまいます。

連載史上最高レベルでうろたえ狼狽し、顔面崩壊するテス。
どうでもいいですけど美形が感情制御できなくて
すごい形相になってるのってすごくいいですね。

そんなテスを見てケンは軽く笑い、
強烈なデコピンをかまして気を取り直させます。
もう、ね!!! そのときの笑顔が!!!!!
ゆるいんだけど優しいの、すっごく!!!



これまでケンとテスの関係性って、
「テスがケンに一方的に忠誠を誓って
 一方的に尽くして独自に計画を進めて
 結果を出してケンに奉納」みたいな、
どれかというとテスの片想いぽいものだったんですよ。

ケンも折節につけ他の仲間がいないところで
テスとサシで話をし、女房役としての
「信頼」は示していたのですが、
ここまで明確にテスに向けた「優しさ」を示したのって、
たぶん初めてなんじゃなかろうか。

マジ動揺した。
今までもじゅうぶんやおいだったけど、
完全に私の中でやおいカテゴリに入った。

と、いうアレで発酵した脳を
お抱えの同志におすすめです、『サンケンロック』。
Boichi先生画力すごいからマッチョキャラかっこいいし、
女キャラも全員エロ可愛くて「うひょー」ってなります。
ストーリーもふつうに格闘まんがとして楽しめます、
腐った目で見なくてもね。

サンケンロック 13 (ヤングキングコミックス)
サンケンロック 13 (ヤングキングコミックス)Boichi

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