2009/08/28 Category : Comics いつも隣に在った狂気 ~山岸涼子『天人唐草』『夜叉御前』~ 私も大概なんだけど、これを貸してくれた友人(♀)はさらに「保守的な」価値観の中で育てられていて、表題作『天人唐草』の、抑圧されついにプッツンしてしまう主人公は、お互いあながち他人事ではない。「我々にこのバッドエンドが訪れなくてヨカタ」的なメールをしたら「式ちゃんからそういう感想が出るとは。 てっきりジェンダー方面で来るかと思うた」的な返信が来た。とはいえジェンダーの話は個人の話なんだけどな。どうも「ジェンダー」という言葉には「ワガママをあたかも当然の権利のように主張する」みたいな響きが乗っかちゃってる気がして、ダイレクトに「ジェンダー」を押し出して主人公の父親を批判しても却ってタチの悪いわるぐちになってしまう気がしたんだよな。あとそれによって作品の本質から視線が逸れてしまう気もした。やれやれ、なんて不便な言葉の持ち合わせしかないんだあとうちの家系(特に母方)はアブなげな人が多いので、「狂気」の見本市みたいなこの2冊はどれも他人事ならず「読まされて」しまう話ばかりでした。べつに私に限った話でないと思うけど。 [2回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword