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紫式子日記

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『肩ごしの恋人』唯川恵


肩ごしの恋人
肩ごしの恋人



「男を信用していない」自立しきった女・萌と、「男にちやほやされなければ女である価値がない」ぶりっ子・るり子のコンビが主人公。

この2人、正反対の性格に見えるのだろうけれど、実は女性がみんな持ってる二面性の人格化だと思う。

比率はどうあれ、みんなどこかしら萌っぽいところがあるし、るり子っぽいところもあるんじゃなかろうか。

だから、萌の意見とるり子の意見、両方7割同意できて、3割反発を感じる

そういうところ、私見っていうか私情といちいち向き合わなきゃいけなくて、却って読みにくかったりしたんだけど。



そして(これはフィクションならではのパーソナリティーなんだけど、)萌もるり子もそれぞれに「サバけて」いる。

方向性は違えど、互いの主義主張がはっきりしていて、それを実践している。

萌などは矛盾を感じてもいるけれど、それすらもきちんと見つめている。

仕事を辞めるという行動で、最終的にはその矛盾を解消するし。

るり子も指摘されて自分の「主義」の浅はかさを知るけれど、それが人間的な円熟につながっていく。



表面的な部分は古典的かもしれないけれど、その根源となっている2人の思考は、ラジカルで痛快。

女の子は楽しめると思う。

男の子は、怖いかも。

ただ、2人の思考プロセスの説明がいちいち長く、精神的なステップアップもわかりやすすぎて露骨かなー、という感想。

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