2008/04/02 Category : Books 『性的人間』大江健三郎 性的人間 (新潮文庫)みんな自意識過剰。みんな中二病。でも、何なのだろう、この慣れ親しんだ負の感情は……。3篇の中篇。どれも、 プロットはいまいちな気がします。なんだかぜんぶ頭の中。勝手に思いつめてる独白。被害妄想とか、「共同生活」なんかそのものずばりだし。ただ、なんだろう……。大抵の人が程度の差こそあれ持っている、「自分は特別だ」というような意識。そこに特化して描いているから、自分の醜いところを誇張して写す鏡を押し付けられてるような気分になるんだと思う。「性的人間」にちなんで喩えれば、電車の中で違反行為してる人を眉をひそめて見て、だけど別に通報したりはしない……みたいな。そんな読後感。それを後ろめたく感じるのと、「ほんとムカつく奴だったな~」って空しく憤るのとの比率は人それぞれだろうけど。ところで「セヴンティーン」は題材といい中二病具合といい三島の「奔馬」に似ていて興味深いですね。なんか比較したレポート、ありそう。 [1回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword