2008/10/15 Category : Art 「液晶絵画 STILL/MOTION」@東京都写真美術館 ★展覧会Webページ最終日、の前日、に行きました……。東京を離れたことのいちばんのデメリットは、展覧会にいけないこと。まじで。感想箇条書き。●サム・テイラー = ウッド『スティル・ライフ』『リトル・デス』前者は果物がカビていく過程、後者はウサギの死体が腐っていく過程の早送り映像。上手く言えないが、すばらしい。日本でいう「諸行無常」、西洋でいう「メメント・モリ」の正しい継承者だと思った。ロンドン出身と知って、すごく納得した。ゴスと頽廃の街!!たぶん、セザンヌが果物を描く際、腐るまで描き続けたという逸話にも基づいてるんだと思う。●ドミニク・レイマン『YO LO VI(ゴヤ『異端審問』に倣って)』「キた」。服を脱がされ、三角帽をかぶせられた異端審問の被疑者がスクリーンに映し出されている。スクリーン前はカメラで撮影されており、スクリーンをのぞく鑑賞者の姿が、数秒遅れでスクリーンに合成される。鑑賞者は「被疑者の顔をのぞきこんでいる自分の姿」をスクリーンの中で見ることになる。イヤ~な事件とか起こると、「後ろ指」っていうんですか、指すじゃないですか、私たち。その自分たちの姿を見せ付けられる気分になる。●森村泰昌『フェルメール研究(振り向く絵画)』「真珠の耳飾りの少女」が、動く、振り向く。ほぼ惰性で観に行っている感じのモリムラさんだけれど、ドキドキした。森村さんは「見る/見られる」っていう支配関係ではなく「見つめる」っていう愛情行為を推している人なんだけれど、文字通り、ファンを、観客を見つめることにした感じの作品。 ●ジュリアン・オピー『ペンダントをつけたキエラ』この人の絵、かわいいんですよ! ロンドンのわたせせいぞう?♪中でも『~キエラ』は、他の作品よりプライベートな感じというか、女性の無防備な姿をとらえていて、なんだかドキッとする出来栄えでした。●チウ・アンション『新山海経・二』地上の都市は海に沈んで、宇宙ではけったいな生物が弱肉強食。どうしてサム・テイラー=ウッドといい、この人といい、映像を扱わせるとみんな主題が「諸行無常」みたいになるんだ。。。●やなぎみわ『Fortunetelling』さすが、いい「乙女ゴス」。やはりやなぎみわアツい。っていうか動画だったの知らなかったーよ。はずかちい。 ●鷹野隆大『電動ぱらぱら2002/2008』これ、いちばん面白かった!!顔/上半身/下半身が分かれてる着せ替え、みたいなのあるじゃないですか。あれの映像版。だから顔と上半身と下半身の性別が食い違ったりする。面白くて、ぎょっとする。そしてこれもカメラが設置されていて、自分の顔が映りこむ仕掛けつき。美しいに静止画も動画もないわね。映像も立派にアートの一部だし、やはり映像でなければできないことがある。その「でなければ~」を活用した作品が厳選されていた印象です。★「文学の触覚」展もそうだったんですけど、写美は「鑑賞者参加型」と言いますか、「一部になれる」系の作品展示、上手いですね。単純に、楽しかったです。もちろんそれだけでなくて、「アートの力」と言いますか、新しい一歩を切り開く視座、みたいのも与えてくれる。いい展示だったと思います。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword