2010/09/26 Category : Art 「あいちトリエンナーレ」名古屋市美術館(白川公園エリア)を観てきた。 名古屋に住んでるくせに★無料で見られる草間彌生作品しか見てなかった★「あいちトリエンナーレ」でしたが、東京在住の友人が遊びに来て「観に行きたい!」と言ってくれたので、一緒に行きました。まずは伏見は白川公園内にある「名古屋市美術館」から。あいトリに合わせて建物入り口にテーマカラー・どピンクの「風のハンモック」が吊るされ、祝祭気分を高めています。ハンモックと幼女。↓以下、印象に残った作品の感想等。 ◎オー・インファン『人と人とが出会う場所』会場に入ると、落ち着く香りが出迎えてくれます。お香を使って文字を描き、それを焚くことで文字の部分が灰になっていくオー・インファンの作品。文字のほとんどはアルファベットなのでさいしょ「英文かな?」と思ったのですが、中にはひらがなも。「なんだろーねー、どんふぁんとか書いてある」と友人と話していたら、近くにいたボランティアのお姉さんがどことなく目を輝かせて近づいていらっしゃいました。「どんふぁん、ご存知ですか?」「いや、なんか聞いたことはあるなー、と」「実はここに書かれているの、名古屋にあるゲイバーの店名なんです!」「(@_@)」どんふぁん、思い出しました。さいきん後輩(女)が彼氏に連れていってもらいたいとか言ってたゲイバーです。曰く、タイトルの和訳は『人と人とが出会う場所』ですが、原題だと人=a man であり、「男と男とが出会う場所」になる、とのこと。蚊取り線香のアート版みたいで面白いね、とか言ってましたが、ジェンダー的な問題提起も含んでいる作品だったみたいです。ちなみに教えてくれたボランティアのお姉さんは文化系風味の眼鏡女子でした。お友達になりたい。◎ホアン・スー・チエ『Cubozoa-09』照明が落とされた第2室に入っての私と友人の第一声は「かわいい!」ホアン・スー・チエがビニール、PC用のファン等で作った原色(LED?)に輝く海中生物のようなオブジェたち。ファンでビニールに空気が吹き込まれ、呼吸をしているかのような動きをします。身近なものでも、アートは試みることができる。作品に使われていたペットボトルのラベルは、見慣れた銘柄でした。◎塩田千春『不在との対話』吹き抜けを上下いっぱいに使って展示されているのがこの作品。天井から吊るされた白い大きな布に赤いチューブが絡められているだけ……かと思いきや、よく見るとその布はドレスの形になっていて、チューブの赤は中の液体、液体はポンプで流れるようになっていました。受ける印象は、かなり陰惨。赤い液体は血液を表すのでしょう。「不在」は、ドレスの主の不在なのか。子ども向けのワークシートに「この作品からどんな物語を想像しますか?」みたいな質問があって、ゴス的完成の試金石だ……とか思った。子どもの頃からそういうこと考えるの、大事だとは思ってますけどね。ていうか子どもってほっといても結構そういうこと考えるし。余談。◎トム・フリードマン『無題』等フリードマンはフリードマンの作品だけを展示した「フリードマンコーナー」みたいなのが作られていて、いちどにいろいろな作品を楽しむことができました。おちゃめな方、トンチの利いた方だなぁという印象。無造作な思いつきで作られたような印象を与えながら、色と形の配置バランス等、全体の「まとめあげ」方にある種保守的な美意識を感じた。ちなみに私のお気に入りは『真実の愛情』という作品です。どんなのかは現地で見てみてね。◎ラクウェル・オーメラ『鳥に餌をやる』シリーズ公園でサンドイッチを食べる女性のところに鳥が飛んできて、サンドイッチをかっぱらっていってしまう……。一見それだけのコメディライクな映像なのだけれど、よく見ると背景の公園は書き割り(しかも作品間で使いまわされてる)で、女性はその前に立っているだけだし、鳥も作り物。さらに私たちはそれも撮影した映像を見ている。公園と私たち、私たちと野鳥、関係性のリアリティ。名古屋市美術館展示作品の全体的なの印象としては……。身近な素材で作られていて、観客が親しめるものが多かったように思う。展示のレイアウトも自由度が高く、「作品の中を観客が歩く」ようになっている場所もあった。テーマは「関係性」だったのかもしれない。(アートすべてのテーマがそれ、とも言えてしまうけど。)作品そのものが「関係性」を扱っている場合もあったし、館内の空間全体が、観客である私たちと作品群を物理的に交差させて「私たち-アート」間の関係性を可視化→意識化する試みがされていたのでは。もともと名古屋市美術館、そういう展示の仕方得意な気もしますけどね。ロビーとか待合スペースとかに突如オブジェが出現してたりする。おまけ。名古屋駅のナナちゃん。名古屋まつりバージョン。 [1回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword