2005/09/21 Category : Comics 『不思議な少年』山下和美 前も取り上げたけど、3巻手に入ったんで改めて。不思議な少年 (3)永遠の命を持ち、姿を自由に変えられ、時空を自在に移動できる不思議な少年が主人公……というか、各々の人物の生活に、傍観しつつ参加していきます。そして彼が様々な時代・様々な場所で様々な人間ドラマを見て見出していく人類共通の愚かさと尊さが描かれていくまんがです。特に3巻はそのことが言葉に出されている「まとめページ」的なパートがあったから、そんな主題が浮き彫りになっていましたね。しかし相変わらず山下和美は上手いですね。「ええっ!?」って疑いたくなるような展開と、ハッピーでもアンハッピーでも納得してしまう結末と、何より魅力的なキャラクターたち。愛に満ちてます、愛にところでこのまんが、全貌を現すにしたがってなんだか手塚治虫の『火の鳥』めいてきたかも。『火の鳥』の方は人間が「ちっぽけな」存在であることを、より強調しているけれど。 つづきはこちら [0回]PR
2005/09/20 Category : Comics 『スパイシー・カフェガール』深谷陽 スパイシー・カフェガール本日の立ち読み。やまだないと読みに行ったのに「ふ」で始まる作家さんのまんが手に取ってるって何のこっちゃ。装丁の妙ですね。装丁が心憎い、これ。で、中身はもっと心憎い。「食」に関しては自信がある主人公は、ふらりと立ち寄ったタイ料理屋で、唐突に厨房要員にされる。そこで働く可愛い韓国人ウェイトレスとの初々しいロマンスと、「どう見ても用心棒、でも料理の味は繊細」なシェフ故と思われる国際的陰謀の影。でも、主人公は料理の腕を磨き続ける……閉店後の厨房で、帰宅後のアパートで。どんなに陰謀の匂いが渦巻いて、それに巻き込まれても、(何が起こっているのか理解できないゆえ)りちぎに日々を料理して過ごしていく、主人公のほのぼのした様が微笑ましいです。終わり方も「やってくれるな〜」という感じ。それはそれは、スパイスを効かせた深みのある味わいのタイ料理のようなまんがです……って、私タイ料理とか食えないんだけどもね; からいのムリ;;;画風も、ちょっと暑苦しいかな? と最初は思えたけど、読み終えると、このストーリーにとても合っていた気がする。久しぶりに、粋なストーリーテラーを知った気分です。 [0回]
2005/09/18 Category : Today 雑司が谷霊園 どこかに行きたい……と漂泊の思いやまず、「近所の」雑司が谷霊園に行ってまいりました。人工とは言え、自然があってウレシイ。お線香に混じって、タバコ供えてあるお墓とかあってね。映画とかまんがであるけど、実際にやる人いるんだ、粋だなぁ、とか思ったり。そうそう、今日は誰の墓前に行くわけでもなく、適当にぷらぷらしていたのですが、まんまと夏目漱石先生のもとに着いてしまいまして。そしたら一人のおばさんが、枯れ草やら枯れ枝やらを熱心に掃除してらっしゃるんです。漱石先生のご親類かな、と思って声をかけたところ、血縁ではないけれど、先生のファンで、たまにいらして掃除をしてらっしゃるのだとのこと。特にもうすぐ彼岸で、他の方も墓前に参られるだろうに、あんまりに汚いと……と、ホウキ・ゴミ袋持参でお墓を整えてくださってました。このおばさん、あまりに漱石先生のことを熱く語りすぎて、旦那様が先生に嫉妬してしまい、このお墓掃除も黙ってきているのだとか・笑。本当は彼岸花を見たくて行ったんだけど、まだ三分咲きって感じだった。でも考えてみたら縁起の悪い花なんだから、そうそう植わってるはずもないんだよね。代わりに道端の花でも。何の花だろ。ところで蚊に食われたよ。明日行く方は普通の線香だけじゃなく蚊取り線香も持っていくべきです。 [0回]