2007/01/05 Category : Movies 『哀しみのベラドンナ』 『哀しみのベラドンナ』@ポレポレ東中野もっかい観にいった。あらためて観るととことんフェミ映画。主人公ジャンヌは「女」ゆえに政治体制に傷つけられ、犯される。愛する夫を想って悪魔に身を売っても、夫に虐げられ、あげく裏切られる。けれど、貧しい農民・特に女性は、「魔女」の能力を必要とし、ジャンヌは強い影響力を持つようになる。最後には悪魔との誓いを破り、夫への真の愛の中で死んでいくっていう生き様もカッコいい。Girls,Stand Up!虫プロ・アニメラマ DVD-BOX (千夜一夜物語 / クレオパトラ / 哀しみのベラドンナ)このつながりで読んだ本。内容はまあまあだったけど、ちょっと尻切れトンボ。魔女と聖女―ヨーロッパ中・近世の女たちあとテヅカで魔女っていったらコレだよねばるぼら (上)ばるぼら (下)これはテヅカなりの「芸術論」になってるのかな再読したくなっちゃった [0回]PR
2007/01/04 Category : Art 「球体写真二元論:細江英公の世界」展 「写真とは被写体と写真家の関係の芸術である」細江英公写真家・細江英公の世界―球体写真二元論東京都写真美術館で開催中の「球体写真二元論:細江英公の世界」展に行ってきたよのさ。来ようと思ったきっかけは森村泰昌で、彼が細江氏の『薔薇刑』をベースに三島に扮した『薔薇刑の彼方へ』ってシリーズを観ていたから。プラス、DUEカードで使われていた「おとこと女 #15」にガツンとやられ、参詣を決めました。実は写真美術館はじめて。森村泰昌を好きじゃなかったら来なかったかもしれないなぁ……なんて思うと、縁って不思議。出会いって不思議。しかも本日4日、13:00〜の学芸員解説を聴いてきました!まずは今回の展示方法について。写真集別の展示をしています。各ブースの中央には展示作品を収録した写真集が置かれ、壁はブースごとのイメージカラーで塗りわけられています。ブースはすべて中央のフロアに直接つながっていて、その中央に立てば全ブースをぐるり、見回すことができます。そうすることで細江作品の「多様性」ならびにそれらすべてが細江英公であるという「統合性」を表現したかったのだとか。展示は『おとこと女』シリーズから始まります。◎『おとこと女』1961 〜性のドキュメント〜美的対象としての「ヌード」も、欲情を駆り立てるための「ポルノグラフィ」もすでに存在していたけれど、これはどちらともちがう……これは「性」をとりあげた最初の表現だ、というのがコンセプト。接写したり、動的なポーズをとらせたりして撮られた作品は、なるほど「肉体」に誠実に、実直に向き合っていることが感じられます。肉体の荒々しさを強調するため、わざと粒子は粗く、コントラストは強くされています。ですがラストの作品は、男性が胸元にそっと文鳥とインコを抱きしめている繊細な写真。その「繊細さ」こそが、一見スキャンダラスな細江作品にひそむ根源的なファクターではないのか、というのが今回の展示の解釈です。また、男性モデルとなった舞踏家・土方巽と細江は、これ以降、土方の死に至るまで互いに不可欠な存在でありつづけます。(※『おとこと女』はこの展示にあわせて復刊され、ナディッフ系列の書店で購入できます。)◎『薔薇刑』1963 〜三島由紀夫に関するドキュメント〜バロックな背景、名画とのコラージュ、突飛な小物からともすれば「前衛的」「スキャンダラス」という印象ばかりを受けてしまいそうな『薔薇刑』。ですが撮影場所は三島邸、コラージュされた名画も三島所有の画集からのコピー、小物も三島邸のもの。つまりこれはシュールレアリスム的表現というより「三島由紀夫のモンタージュ」といえそう。頭部が時計におきかわった写真なんか、ダリっぽくっておもろいなぁなんて思っていたのですけれど、学芸員さんの解説を聞いて「面白さ」に奥行きが増しました。あとこれは三島のほうから「撮ってくれ」ってオファーした写真集らしいね『おとこと女』で見せた重量感・質感ゆたかな肉体表現に理想を見出したんだろうな◎『鎌鼬』1969 〜記憶のドキュメント〜東京生まれ・東京育ちの細江が、戦時中、母親の実家である米沢に疎開した際出会った「日本の風景」を写し出したのではないか、という『鎌鼬』シリーズ。 つづきはこちら [0回]
2007/01/02 Category : Plays 劇団四季『鹿鳴館』 えへへ。いっちゃった。いってきちゃった。初「劇団四季」、しかも三島由紀夫原作『鹿鳴館』!!ストレートプレイ自体初めてだったのですが、イヤ大当たりな初・体・験と相成ってしまいました。力の入れようがひとまずスゴい。演出・浅利慶太ってところから始まって主人公・朝子は浅利慶太の奥様である野村玲子、浅子の夫である影山男爵役は「劇団四季」創設メンバーの日下武史!特に久雄と一対一で話す場面以降、野村玲子の演技に表情の輝きや台詞の熱が増していくさまは、目を見張るほど。重鎮の異彩を放っていたのは日下武史で、些細な点かもしれませんが「笑い方がちがう」。堂に入った演技は、ナルホドサスガでした。衣装は森英恵、フラワーアレンジは假屋崎省吾と、スタッフも手抜かりありません、御前。そしてなんたってストーリーがスゴい。「台詞の緊張感を欠いたらただのメロドラマ」なんて解説にはあるけれど、三島が陥り、最後はその中で破滅を迎えた「洋の東西」「男女の別」「公と私」という対立要素の相克とストーリーを重ね合わせれば、それらの輻輳がおもしろくってしょーがない。そこに「子殺し」「親殺し」、「仮面夫婦」といった三島個人のこだわり要素まで絡んできて、それを考え始めたらホントもーおなかいっぱい。脚本としても秀逸で、台詞が明快的確。パンフレットの「あらすじ」で想像していたよりずっと理解しやすかったです。そして何より浅利慶太が力を入れたという「台詞の緊張感」。いまや本の中にしか存在しない「雅文体」ですが、あくまでも耽美で、あくまでも壮麗な舞台の上では、麗しい輝きを持って私たちの耳を潤したのでした。作品だけでなく、三島に関する論考も寄せられたパンフレットは、必見。 つづきはこちら [0回]
2007/01/01 Category : Movies 『ゴッドファーザー』シリーズ3本立て 今年もよろしくお願いします、ってなわけで、元日から「初映画」をぶちかましてきたんだけれども。早稲田松竹にて、『ゴッドファーザー』シリーズ3本立てってアナタ。しかも毎月1日は映画の日だから安いよおかあさん800円で3本立てだよ『ゴッドファーザー』ってのは観たことなかったんですが、イヤほんとにドンパチやってますね。銃撃したり爆破したり、視察したり暗殺したり大変です。でも主題はきっとちがう。ぜったいちがう。たぶんだいじなのは信頼と裏切りと愛。 つづきはこちら [0回]
2006/12/31 Category : Art マッハで今年を振り返る 〜美術編〜 今年の反省事項は、ぜんぜん美術館に行けなかったことですね。。。それでも印象深い展示を挙げれば、エルンスト・バルラハ展と「ばらばらになった身体」展ですね。いずれも小さなものでしたが、静謐な雰囲気が好きでした。cow paradeも燃えましたね。結局フルコンプしてないけど、いろんな人からTBがあって、「みんな楽しんでるなぁ」ってのがわかった。丸の内オアゾあたりの近未来的な町並みとのマッチも、歴史ある建物とのミスマッチも、両方味があった。あとアート絡みで個人的一大事だったのは、森村泰昌さんを卒論で取り上げさせていただいたこと!「相反する二つのものを仲介する」巫女のような存在、という視点から書かせていただきました。それはそのまま私が好きな要素であったことにも気づき、自分の人生の、あるイミひとくぎりとなりました。とりあえず。パフォーマンスを観にいけたのも、すてきな思い出です。 「相反する二つのものの融合」という点で、いま個人的に追っているのがゴシック文化。その楽しさに気づかせてくれたのは『ゴシックとは何か』でした。里子に出す予定の『テクノ・ゴシック』も、読めるだけ読むつもり。 [0回]