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紫式子日記

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「草間彌生 ―永遠の現在」

行ってきた現代美術展2つ目は美術界の樹木希林とも名高い草間彌生

東京国立近代美術館の「草間彌生 ―永遠の現在」展で御座います。

森美術館の「クサマトリックス」行きそびれたので、リベンジで御座います。
実はピカソ展がぱっとしなかった腹いせに、東西線だしついでだー、と思って勢いで観にいったんだけどね。

大学生450円だし。

そーしたらこれが、





すげぇすげぇ。





ホント、宇宙。

ホント、子宮。



森羅万象がその場所で溶け合い、ひとつになっていくってか。

ちょっと禅の境地。



でも、まず失われるのはひとつひとつの物体の境界ではなくて、自分の境界線。

草間自身は「自己消滅」って呼ぶけど。

あのね、すべてを水玉模様で覆っていくんですよ。

まずは周りの風景を、そのうち自分自身も。

やかんも花瓶もソファも猫も帽子も何もかも水玉模様に覆われて、境界がなくなっていく。

もちろん自分も含めて。

水玉模様は草間のトレードマーク的な部分があるけど、トレードマークなんて表層的なものじゃなく、彼女が目指すところに達する手段なのだと気づいた次第です。



「自己消滅」の他の手段は、鏡の世界。

あのね、『Infinity Mirrored Room』って、6面かな? に、鏡を張った展示があるんですよ。

大きな3面鏡2つに閉じ込められたようなもんです。

さらに、空間の真ん中にもまた、全面鏡張りの六角柱がある。

もう、どこを見回しても私だらけ。

しかも私を360度どこからでも見ている。

わかっちゃいるけど「どこにいるのが本当の私?」ってまじで怖くなりました。

本当です。本当の、所在不明の恐怖。

この上六角柱の中にも同じ作りで中身が電飾になった、万華鏡みたいな世界が広がってる。

本当に怖くなりました。ナミダ出ましたよ、「おかーさーん」つて。

しかもその展示が、入って2番目のエリアです。

水玉で構成されたきもちわるい巨大カボチャ観たあとにそれです。

もう、つかみはオッケイ! でした。。。



その後も、気持ち悪さうんぬん通り越して恐怖感でしたね。

「なんでここまでやるの?」みたいな作品ばっかり。

私は剥奪されて、侵入される。

なんかねー、子宮に手ぇ突っ込まれて卵巣引っこ抜かれた感じ。

体よく暴行された気分でしたよ。



でもその恐怖を、草間彌生はずっと感じてきたんだろうな、と思うと、切ないというか、やり切れない気持ちになりますね。

自己消滅を声高に叫んではいるけれど、そういう手段でその主張をしてるのは彼女だけだし。

だからこそ独自性が生じて、彼女をアーティストたらしめているんだけど、すごく孤独な万物との同化だな、と思いました。

純粋にうらやましかったですけどね。

世界と交わる方法を知っているというか、そういうところが彼女の作品にはあるので。

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